婚約中の浮気、冷静な対応法と慰謝料の相場

このページは、婚約中にパートナーの浮気が発覚し、ショックと怒りで思考が停止してしまった方に向けた総合ガイドです。

「証拠はどう集めるのか。」「慰謝料はいくら請求できるのか。」「そもそも結婚すべきか別れるべきか。」――そんな切実な疑問に、弁護士監修の法律知識と再構築に役立つ心理学的アプローチの両面から答えます。

本記事を読み終えるころには、今なにを優先し、いつ誰に相談し、どこまで相手に責任を取らせるかまでを具体的に描けるはずです。

深呼吸をして、画面をスクロールするところから一歩ずつ始めましょう。

目次

婚約中に浮気が発覚したら?まず冷静に整理すべき状況と心理

婚約中に浮気が発覚すると、多くの人が「裏切られた」という強烈な感情に支配されます。

しかし、感情のままに怒鳴ったり、SNSに書き込んだりすると、その後の交渉や裁判で不利な材料となりかねません。

まずは①事実関係の把握、②感情の整理、③相談先の決定という三段階で状況を棚卸ししましょう。

この段階で「なぜ浮気したのか」を相手に問い詰める必要はありません。

問い詰めても防衛的な嘘が増えるだけで、真相解明や証拠保全を妨げるおそれがあります。

大切なのは、あなた自身の心身を守りながら、のちに慰謝料請求や婚約破棄の判断材料となる情報を正確に残すことです。

どこからが不貞行為?LINEだけでも『浮気』に該当するケースを解説

法律上の不貞行為とは「配偶者(婚約者を含む)以外の相手と自由意思で性的関係を結ぶこと」を指します。

とはいえ、肉体関係が立証できなくても、LINEで性的なやり取りやホテルの約束を交わしていれば、慰謝料請求が認められた判例も存在します。

▼肉体関係がなくても不貞と判断された例:

  • 深夜に互いの自宅へ出入りしていた
  • 卑猥な写真を送り合っていた
  • 「次は◯◯ホテルね」と具体的な性行為の約束をしていた

これらは「貞操義務を侵害する行為」と見なされ、精神的苦痛の損害と評価される可能性が高いのです。

  • 肉体関係が立証できなくても慰謝料請求は可能
  • 性的示唆を含むメッセージは保存&バックアップ必須
  • スクショは日時と送信者がはっきりわかる形で確保

パートナー・両親・友人へ相談する前に押さえる3つの注意点

  1. 証拠を漏らさない:怒りにまかせて第三者へ転送すると、改ざん疑惑を招き証拠能力が下がります。
  2. 感情の二重被害を防ぐ:親しい人ほどあなたの怒りを増幅させ、冷静な判断を阻害しがちです。
  3. 守秘義務がある専門家を優先:弁護士やカウンセラーは情報漏えいリスクが低く、心理的負担の軽減にもつながります。

この3点を守ることで、あなたの立場を不必要に弱めずに済みます。

今すぐ実践できる感情コントロールと初動対応チェックリスト

激しい怒りや悲しみは脳の前頭前皮質を麻痺させ、合理的な思考を奪うので、深呼吸法やジャーナリング(思いの丈を紙に書き出す)を5〜10分行うだけでも、感情の嵐は落ち着きやすくなります。

初動対応としては①証拠のバックアップ②GPSや盗聴など違法調査はしない③相手との直接対決を先延ばしにする——の3点が鉄則です。

下記リストをスマホに保存し、衝動的な行動に歯止めをかけましょう。

  • LINE・メール・通話履歴をクラウドに保存
  • SNSの公開投稿は控える
  • 別居する場合は住民票ロックを検討
  • 体調不良なら心療内科で診断書を取得

婚約中の浮気が招く法律上の問題と婚約破棄の可能性

婚約は法律上の契約とみなされ、当事者双方に結婚へ向けた協力義務と貞操義務が課せられます。

したがって、不貞行為は契約不履行や不法行為として損害賠償の対象となり得ますし、さらに婚約破棄が正当化される場合、結婚式のキャンセル料や新居費用なども損害として請求できる余地も。

ただし、婚約がそもそも成立していなかったと判断されれば請求は棄却されるため、成立要件の立証が出発点になります。

婚約の成立要件と結婚との違いをわかりやすく解説

婚約は当事者間の合意のみで成立し、役所への届出は不要です。

具体的には「結婚の口約束」「両家挨拶」「結納や婚約指輪の受け渡し」などが客観的証拠として用いられます。

結婚と異なる点は、戸籍に記載されず、法律上の夫婦財産制や相続権が発生しないことです。

しかし、貞操義務や将来の婚姻を期待する利益は法的に保護されるため、浮気による精神的損害には慰謝料請求が認められるのです。

婚約破棄が認められる理由と損害賠償の範囲

正当な婚約破棄事由として代表的なのが①不貞行為②暴力・重大な侮辱③重大な経済的事情の隠蔽です。

損害賠償には慰謝料だけでなく、結婚式場キャンセル料や衣装代、新居の契約解除料など実費も含まれます。

判例では、浮気を原因に破棄した側が150万円の慰謝料+120万円の実費を獲得したケースもあります。

損害項目認定されやすい目安
慰謝料50〜200万円
式場キャンセル料全額または違約金分
新居契約解除料敷金償却分など

結婚後に浮気の事実が判明した場合の影響とリスク

入籍後に婚約期間中の不貞が発覚しても慰謝料請求は可能ですが、ただし、婚姻費用分担請求や離婚時の財産分与が絡むため、婚約破棄より手続きが複雑になりがちです。

子どもが生まれていれば親権争いも加わり、精神的・経済的コストが跳ね上がります。

時効も3年に伸びますが、その分証拠が散逸しやすいので早期証拠化が重要です。

浮気は不法行為に当たる?民法上の位置付けと損害賠償根拠

民法709条は「故意または過失により他人の権利を侵害した者は損害を賠償する責任を負う」と規定しています。

婚約者の貞操権は判例上「法律上保護される利益」と解されており、浮気はこれを侵害する不法行為です。

したがって、精神的損害に対する慰謝料請求の法的根拠は同条に求められます。

慰謝料請求の基礎知識:相場・条件・時効を徹底ガイド

慰謝料は「精神的苦痛の金銭的評価」です。

婚約中の浮気で請求可能な金額は50万〜200万円がボリュームゾーンですが、肉体関係の有無や婚約破棄の有無で上下幅が広がります。

時効は浮気を知ってから3年、行為時から20年のいずれか早い方で、過ぎると請求権は消滅するので要注意です。

婚約中の浮気で認められる慰謝料の金額相場と算定要素

算定要素には①肉体関係の有無②婚約破棄の有無③交際期間④社会的地位や収入⑤誠意ある謝罪の有無などがあります。

平均相場は100万円前後ですが、婚約破棄+妊娠中絶など悪質性が高い場合は300万円超が認められた判例も。

肉体関係の有無で変わる相手方への請求額と不倫認定のポイント

肉体関係が立証されれば慰謝料は平均で1.5〜2倍に跳ね上がり、ホテルの領収書やラブホテルの出入り写真、性的内容のLINEなど客観的証拠が鍵となります。

逆に肉体関係が不明な場合は、精神的苦痛の立証が中心となり、請求額が50万円程度にとどまるケースが目立ちました。

請求できる期限はいつまで?時効と注意すべき期間

民法改正後、浮気を知った時点から3年間が時効となります。

ただし、証拠保全や交渉に時間を要するため、実際には発覚直後から動き始めるのが望ましいです。

時効の中断には内容証明郵便の送付が有効で、これにより6カ月間は期間が停止します。

慰謝料を軽減・拒否されたときの交渉術と成功事例

相手側が「婚約は成立していなかった」や「肉体関係はない」と主張して慰謝料を拒否することがあります。

この場合、証拠の提示タイミングを小出しにする「示談ステップ戦略」が有効です。

実際に、LINEのスクショ→ホテル領収書→探偵報告書の順で開示し、最終的に200万円の支払いに応じさせた事例もあります。

関西と首都圏で違う?地域別の慰謝料相場を比較

統計上、首都圏の慰謝料平均は120万円、関西圏は90万円程度とやや差があり、これは裁判所の運用に地域差があり、都市部ほど高額になりやすい傾向が要因とみられます。

地域平均慰謝料
首都圏120万円
関西圏90万円
地方都市80万円

慰謝料獲得までのステップ:証拠準備から示談・裁判まで

慰謝料請求の流れは①証拠収集②内容証明郵便③示談交渉④調停⑤訴訟の5段階です。

各ステージで必要な書類や費用、想定期間を把握し、無駄なコストを抑えることが成功のカギとなります。

不貞行為を立証する証拠の集め方と調査方法

証拠は「日時」「場所」「相手」を特定できるものが必須です。

自力で集めるならスマホのスクショ、位置情報、レシートを確実に保存しましょう。

探偵事務所を利用する場合は成功報酬型と時間制課金型があり、費用は20万〜60万円が相場です。

内容証明郵便とメールの違い―確実に請求を伝える作成・送付手順

内容証明郵便は「誰が・いつ・どんな内容を」送ったかを郵便局が証明してくれる制度で、時効中断や交渉開始の公式なアクションとして最適です。

メールでは法的な到達証明が弱く、相手からの無視リスクが高まるので、作成時は「請求額」「支払期限」「支払方法」「法的措置を取る旨」を明記し、3通作成して郵便局窓口へ持参します。

離婚・不倫案件を得意とする弁護士へ依頼するメリット・費用・成功のカギ

専門弁護士に任せると、証拠の整理から交渉、裁判までワンストップで進行でき、精神的負担が大幅に軽減します。

費用は着手金20万〜40万円、成功報酬は獲得額の15%前後が相場です。

成功率を高めるポイントは、初回相談時に「証拠の質と量」「相手の資力」「希望額」を具体的に提示することにあります。

訴状提出から裁判までの流れと主張・立証のポイント

訴状提出後は第1回口頭弁論→書面準備→証人尋問→判決というプロセスを経ます。

平均審理期間は6カ月〜1年で、和解に至る割合は70%以上です。

主張と証拠の因果関係をロジカルに整理することが勝敗を分けます。

二人の今後をどうする?関係修復or別れの判断軸

慰謝料を請求するか否かとは別に、関係を続けるのか清算するのかの決断が必要です。

決断には「再発リスク」「信用回復可能性」「人生設計への影響」を多角的に評価する視点が求められます。

互いの信用を取り戻す信頼回復プランと再発リスク

信頼回復では①浮気原因の特定②再発防止策の合意③定期的なレビュー面談を設けることが重要です。

カップルカウンセリングを併用することで、専門家の第三者視点から関係を可視化できます。

婚約破棄を選ぶ場合の手続きと入籍・結婚式キャンセル対応

婚約破棄を選ぶ場合、まず式場や旅行会社へ早急に連絡し、キャンセル料を最小限に抑えましょう。

婚約指輪は「贈与の撤回」が認められるケースも多く、返還請求が可能です。

破棄通知は書面で残し、損害賠償請求の証拠とします。

再発防止の約束と恋人・夫婦カウンセリング活用法

再発防止策としては、スマホロック解除の共有や生活リズムの可視化、月1回のカウンセリング参加などがあります。

信頼の「見える化」で不安を減らし、互いの合意を文書化することが再出発への土台となるでしょう。

よくある質問と専門家の回答コラム

ここでは実際に寄せられる質問をQ&A形式でまとめ、弁護士と心理カウンセラーの見解を掲載します。

法律と感情の両面から疑問がクリアになるはずです。

婚約中に浮気した男性・女性別の心理と行動パターン

男性は「最後の自由を試したい」、女性は「本当にこの人でいいのか確かめたい」など、性別で動機が異なる傾向がありますが、ただし根底には「不安の解消」が共通しており、対話による安心感の提供が再発防止に寄与します。

同棲中の浮気は慰謝料請求できる?具体的ケースを解説

同棲だけでは婚約成立とは限りませんが、結婚式場予約や指輪購入があれば婚約が推定され、慰謝料請求が認められる可能性が高まります。

同棲契約書を作成しておくと、後日の立証が容易に。

地方在住でも安心!電話・オンライン無料相談の活用法

弁護士ドットコムや法テラスでは、Zoomや電話での無料法律相談を提供しています。

地方在住者でも移動時間と交通費を節約しつつ専門家のアドバイスを受けられるので、積極的に利用しましょう。

ネット掲示板・知恵袋の情報は本当?鵜呑みにしないための判断基準

インターネット上の体験談は、法改正前の古い情報や個別事情に基づく主観が混在しています。

①出典②更新日時③専門家監修の有無を確認し、一つの情報源に依存しない姿勢が大切です。